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―――ラグノーマ山脈の麓の山道を二人の男女が走る。
男『大丈夫ですか?きつければ少し休みましょう。』
男が横を走る女に声をかける。
女は言葉を発さず首を横に振る。
男『そうですか…。しばらくは奴らも気付かないでしょうから…。それではもう少し進んだら小さな洞窟があるので、そこで休みましょう。』
女は軽く頷くと、走る速度を少し上げた。
エデンは泣き腫らした目でベイルの前に現れた。
ベイル『エデン!?起きて平気なのか?』
エデン『ベイルさん…。本当にありがとうございます。』
ベイル『少しは落ち着いた様じゃな。腫れぼったくなっておるが目に生気が戻っておるな。』
ベイルはニッコリと微笑んだ。
エデン『ホントに感謝してます…命を救って貰ったうえに、弱い俺の尻を叩いて貰った。』
ベイル『いいんじゃよ。エデン…。大切な人を無くして泣いておるお主を見ておると、昔の自分を見ているようでな…。』
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