邂逅

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ベイル『年寄りの長話に付き合わせてしもうたかな…。』 ベイルは苦笑いした。 エデン『いえ、そうだったんですか…。やっぱり…全ての原因は…………、シン。』 エデンは拳を握りしめ、怒りや憎しみの全てを目に宿した。 しかし、その心の中は大切な人達を失った悲しみだけでなく、前へ進む力強い覚悟も備えていた。 エデン『ベイルさん!あなたのおかげで心がラクになりました。もちろん、死んでしまった大切な人達を失った悲しみは忘れません。でも、これからはクヨクヨせずに、居なくなってしまった人達の分も俺が精一杯生き抜こうと思います。』 エデンが力強く話すと、ベイルはニッコリと笑った。 それから二日程、エデンはベイルの家で傷を癒していた。 エデンの傷は異常な早さで治っていった。 体に開けられた穴がほとんど塞がってしまっているのだ。 これにはベイルや当の本人のエデンも驚いた。 ベイルは『若いからじゃろう。』と言っていたが、エデンは少し自分の体が怖くなった。
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