邂逅

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エデンがベイルの家に来て五日経った。 エデンの傷はもう、ほとんど塞がっていた。 ベイル『ふむ、体の方も随分良くなったみたいじゃな。』 エデン『えぇ。後は剣が振れるぐらいまで回復すればいいんですが。』 ベイル『そうじゃな。ところでエデン。お主は体が治ったらどうするのじゃ?』 ベイルが椅子に座ったまま尋ねる。 エデン『とりあえずエントールへ戻ろうかと思っています。俺には、帰る場所はあそこしか無いですから…。』 ベイル『…そうか。寂しくなるのぅ。』 ベイルは少し苦笑いしながら言った。 エデンはそんなベイルを見て言った。 エデン『たまに、ここに遊びに来てもいいですか?』 すると、ベイルは嬉しそうに『おぉ。』と、一言返事を返した。 ラグノーマ山脈の山道を数十人の兵が走り回っている。 兵『隊長。この一帯を捜しましたが、見つかりません。』 一人の兵が2メートルはあろうかと言う男に話し掛ける。 隊長と呼ばれた男はイライラしているのか、報告に来た兵を蹴り飛ばし怒鳴り付けた。 隊長『いちいち見つかりませんでした。なんて報告はいらねぇんだよ!そんな暇があったらさっさと獲物見つけて来い!』蹴られた兵は口から吐瀉物を撒き散らしながらうずくまっている。 男は更に兵を蹴り、唾を吐きかけた。 隊長『これだからチョーク出身の弱兵は使えねーんだよ!』 男は爪を噛みながら呟いた。 隊長『さっさと任務を遂行しねーと、俺がガボア様に殺されちまう。』
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