邂逅

14/22
前へ
/223ページ
次へ
ベイル『それはのぅ、やはりシンの監視の目がきついんじゃよ…。ここは一応、シンの領土。許可なく武器を製造、販売すると軍に取っ捕まるんじゃよ…。』 そう呟くとベイルはため息をついた。 ベイルはランタンを部屋の壁にかけると、部屋の角に置いてある木箱を抱え上げた。 更に一振りの剣を持ってきた。 ベイル『エデン。この剣でそこにある棒を斬ってみてくれ。』 ベイルはエデンに剣を手渡す。 エデンがベイルの指差す方向を見ると、細い木の棒が固定され立っていた。 エデンは訳が分からず渡された剣とベイルとを交互に見た。 ベイル『何をしとる?気にするな。それは、試し斬り用のモンじゃから気にするな。』 エデン『え?…あ、いえ。何故こんな事をするのか気になって…。』 エデンは首を傾げながらベイルに言った。 ベイルはニヤッと笑い、 ベイル『まぁ、いいからやってみろ。』 とだけ言った。 エデンは未だに何がしたいのか分からなかったが、木の棒の前に立ち剣を構えた。 片手に剣を持ち、高く振り上げた。 ベイル『おっと。一つ言い忘れとったが、両手で剣を持って斬ってくれ。』 エデンが振り下ろす前にいきなり言われたので、エデンは一度剣を持ち直した。
/223ページ

最初のコメントを投稿しよう!

152人が本棚に入れています
本棚に追加