邂逅

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エデンは両手で剣を持ち高く振り上げ、一気に振り下ろした。 『スパッ』 木の棒は呆気なく切れた。 ベイルは棒に近寄り、切り口をじっくりと見つめ出した。 しばらく切り口を観察した後、 ベイル『フム…。よし。』 そう言うとベイルは沢山の剣の山から更に一振りの剣を取り出しエデンに手渡した。 ベイル『エデン。その剣を左手で持って斬って見ろ。』 エデン『左手?でも、俺は右利きですよ?』 ベイル『ふむ。今、お主が斬った切り口を見たんじゃが…お主、実は左利きかもしれんぞ…。』 ベイルの言葉にエデンは驚いた。 小さな頃から近所の友達と棒キレを持って遊び回っていたときから右手で持って走り回っていた。 エデン『俺が左利き…。』 いまいちピンと来ないため左手に握った剣を見つめた。 ベイル『ちなみにそれは左利きに使いやすいようにわしが手を加えておるから、扱いやすいハズじゃ。』 エデンは訝しげな表情のまま目の前の木の棒を斬った。 『シュンッ…』 エデン(ん?軽い。もしかして、空振りしたか…。) エデンは余りの手応えのなさに木の棒を見た。 しかし、木の棒は綺麗に切れていた。
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