いつかきっと…(結審~確定)

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しばらくして、2階の社長室から吉村社長が降りて来た。 背は小柄で、少し小太りな体型。 スーツではなく、ラフな綿の柄シャツを着ていた。 ゆっくりと私の方を向いて歩き、途中で立ち止まり商談用の応接セットに私を促した。 私が1歩1歩近付く間に、社長は長いソファーの真ん中に腰を下ろした。 私がテーブルの横まで歩いて来た時に、吉村社長は私を見上げた。 私はいつもの癖で目をそらして俯いてしまった…。 きちんと謝る態度ではないとわかっていたが、俯いたまま顔を上げる事が出来なかった…。 吉村社長は黙って私の言葉を待っているようだった。 私は何から話していいかわからなかった。 「さっき…。判決が下りました…。」 「そうか…。今日やったんか…。で どうやったんぞ?」 吉村社長はゆっくりと話した。 「1年8ヶ月の実刑です…」 「そか…。」 吉村社長は前屈みになり、開いた足の膝の上にもたれるようにして指を前で組んだ。 私は立ったまま深く頭を下げた。 「今回の事…本当に申し訳ありませんでした……!」 私は魂を搾り出すかのように、静かにでも強く言葉にして、もう1度頭を下げた。 「私が出る幕ではないのはわかっています。 でもどうしても一目お会いしておきたいと思って来ました……!」 俯いた私の前で、吉村社長はため息をついた。 やっぱり気分を損ねてしまったのか…。 私は立って頭を下げたまま、身動きが取れなくなってしまった…。
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