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私はある事に気付いた。
思い違いかも知れないけど…。
もう遅いけど…。
もしかしたら…。
慶太がこの町に帰ると決断した時、警察に出頭するのではなく先に社長に謝罪に来ていたら…。
示談の話は有り得たかも知れない。
私の所に警察や会社の人が訪ねて来なかったのは、もしかして社長は慶太が来るのを待っていたからかも知れない…。
被害届けは出していたけれど、慶太の出方によってはそれを取下げ、示談の話し合いが出来たのかも知れない…。
でも警察に出頭してしまい、謝罪の気持ちを社長に伝えるのが遅れ、来たと思えば上司宛てで…。
社長は厳しい処分を望んだのかも…。
この事は私の憶測に過ぎない…。
また慶太も『帰る』と決めたものの、住む場所や仕事がない事や、抱えていた借金や…
自惚れかも知れないけれど、私がまだ離婚していない事などから…
厳しい道を選んだのかも知れない…。
執行猶予を望んでいたのも本心だろうけど…。
そんな、それぞれの見えない気持ちが私の中で渦巻いた。
今更どうにもならないけれど…。
なるようにしかならないけれど…。
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