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どことなくシュールな光景だ。
――誰も反応しないな。まあ良い。誰とも関わらない方が俺としても生活し易い……。
そう心の中だけで自嘲気味に鼻を鳴らし、担任に指示された席に向かう。
その短い時間の中で、自分を見ながら何やらヒソヒソと囁き合う生徒の姿を見て、思誓はまた心の中だけで鼻を鳴らした。
窓際の席に座り、ホームルームの間中、ずっと外の噴水や花壇を眺めていた。
そんな退屈な時間が終わり、一時限目まで少しの間休み時間だ。
すると尚も窓の外を眺めている思誓の周りに、数人のクラスメイトが集まってきて「ほら話しかけてみろよ」だの「えーお前が話しかけてみろよ」だの小声で駄弁っている。
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