shade

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 とにかく、こんな所につっ立っていても仕方がないので、取り敢えず歩き続ける事にした。  すると。  「浪川くん?」  何となく聞き覚えのある声の方を振り返る。  そこに立っていたのは。  確か……。  「江藤……馨糸先輩……?」  学園の副会長、江藤馨糸が大量の紙の束を抱えこちらを見ていた。  「どうしたんですか?」  江藤は紙の束を両手に抱えたまま思誓に近付いてきた。  「……ああ……あの……実は出口が分からなくて……」  思誓は少し恥ずかしそうに俯きそう言った。  そんな思誓の言葉に、江藤はクスリと静かな笑みを洩らした。
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