shade

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 今の思誓にとってみれば歓喜の極みとも言えるのだが、思誓は重い荷物を抱えながら態々親切にしてくれている江藤に悪い事をしているようで、何となく気分が晴れない。  「……俺も手伝います!」  だから、その言葉は本当に気紛れだったのだ。  けれど、その『気紛れ』がいけなかった。  江藤が持っていたものの6分の1程度の紙の束を手に、思誓は江藤に付いて生徒会室へ向かった。  「もっと持ちますよ」と何度も言ったが、江藤からは「有難うございます」と「大丈夫」の二種類の返事しか返って来なかった。根本的に、この江藤という人は優しい人物らしい。  少しして江藤は一室のドアのノブに手を掛けた。どうやらここが生徒会室のようだ。  中へ入ると、広い部屋の中で生徒会長の御堂悠羅が長いテーブルをを前に一人座っていた。
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