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「浪川くん、お茶でも飲んでいきませんか?」
江藤が優しい笑顔を思誓に向ける。
はっきり言ってこの二人の間にいるのは御免だが、転校生という事も加わって先輩には逆らえないので、ご馳走になる事を覚悟した思誓だった。
ふかふかのベッドに横たわった思誓の顔色は尚も優れていない。
江藤にご馳走になったお茶は、美味しかったのか不味かったのか……というよりも、そもそもカップを手にした記憶が無いのだが。
余りの緊張に、思誓は生徒会室での殆どの事を覚えていないようだ。確かに、あの空間は疲労を二倍にも三倍にもさせてくれる魔法の空間だ。
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