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「別に媚なんて売ってませんけどね。まあ、色眼鏡越しでしか物事を見られない会長さんには、そう見えるんでしょうね」
そう皮肉混じりに言った江藤馨糸の表情は、思誓と握手を交わした時と同様、優しい笑顔が浮かんでいる。
「立場を利用して戯れるために生徒会に入った奴に言われたくない」
（“ざれる”？）
思誓の頭は『戯れる』を漢字表記に出来なかったらしく、意味が通じていない。
まあ、その言葉は今焦茶色の髪をした頭の上にクエスチョンマークを一杯浮かべている思誓に対するものではないので、あまり関係はない。
「誰が立場を利用してますか？生徒会長の権限振り翳して美少年のハーレムつくってるような方が言う台詞ですか？」
「ハーレムなんかつくってない。大体、勝手に集まってきたんだ」
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