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 「実際は『青嵐学園』ですよ。でもこの青嵐学園はかなりハイレベルで中々入れないんですよ。だから入るのが困難という意味で『荊城学園』て呼ばれてるんです。ほら、よくお伽話でも、お姫様が囚われている難攻不落の城に荊が巻いてるでしょ」  江藤が優しく説明してくれる。  随分メルヘンチックな異名だが、確かにこの城のような門といい、可愛らしい花々や噴水といい『荊城学園』がハマっている。  思誓はそれで納得した。  「なんだ、結構有名な話だぞ。浪川お前知らないなんて珍しい奴だな」  御堂が意外そうに思誓の整った顔を覗き込んだ。  先輩とはいえいきなり呼び捨てか……と思誓の心の声。  「転校生だろ? ここの事何も知らずに来たのか?」
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