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「お前がケーキのアイディアを生徒会に提出して、それを調理部に作って貰おうとな」
だから、俺より調理部に頼んだ方が――。
俺がそう言う前に江藤先輩が口を開いた。
「浪川くんをこの学校で一番思ってるのは高坂くんですからね」
「そうだろ?」
江藤先輩は相変わらず優しい笑みを、悠羅兄ちゃんは目を細めて面白そうに俺を見る。
……言いたい事は何となく分かった。理解した。
俺は少し俯いて、
「……俺が思誓を思ってるのは友達としてだよ」
まったく……。この二人、仲が悪いクセしてこういう事は気が合うんだから。
「それで、引き受けて頂けますか?」
断る理由はない。
「はい。でも兄ちゃん、これなら別にメールでも良かったんじゃ」
「携帯部屋に忘れてきた」
結論。
青嵐学園の生徒会長は自己中だ。
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