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別に高坂終が授業に遅れようがまったく以って思誓に干渉はしないが、思誓はこの気持ちをどうにかしたかった。
また鐘の高い音が授業の始まりを告げる。終はその合図と共に息を切らして帰ってきた。クラスメイトからの笑いを含んだ、何処に行っていたとか何していたなどの質問を受けている。思誓は特に気に掛ける事はなく、アイツの事だから大方他クラスの奴と駄弁っていてこんな時間になったのだろうくらいにしかとらなかった。一日はまだ始まったばかりで、時間なら沢山ある。たった一度謝る事が出来なかったくらいでは思誓は焦りもせず、また次の休み時間を待つ事にした。
そもそも、思誓が終に謝りたいのは自分の身を軽くしたいからだ。無論元から無いような終との友情を改善したい訳ではない。
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