第1章 理想と現実

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キィ…ッ。。 真っ正面に 暖炉があるだけ。 他は何もない。 人がいる気配もない。 暖炉の上に 小さなモニターが 置かれていた。 「…ッ……た。」 「えっ?」 雑音の後 映像が映り 何か喋っている。 映っているのは あたしの顔。 あたしが喋っている…。 「奈々さん、お待ちしておりました。」 「ここはどこなの?あなたは誰?」 「ねぇ、元の世界へ帰して!!」 あたしが見せたことのない 表情で答える。 「ここは出発点。あたしはあなたですよ。」 「訳のわかんないこと言ってないで、どうにかしてよ!」 あたしが薄気味悪く 笑ってみせた。 「先に帰ってもいいのですか?あなたの大切な人たちも、ここに来てあなたを探していましたよ。もちろん、あなたの…。ふふッ。」 そう言って 画面は変わった。 何も出来ない。 あたしはただ呆然と 立ち尽くしていた。
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