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キィ…ッ。。
真っ正面に
暖炉があるだけ。
他は何もない。
人がいる気配もない。
暖炉の上に
小さなモニターが
置かれていた。
「…ッ……た。」
「えっ?」
雑音の後
映像が映り
何か喋っている。
映っているのは
あたしの顔。
あたしが喋っている…。
「奈々さん、お待ちしておりました。」
「ここはどこなの?あなたは誰?」
「ねぇ、元の世界へ帰して!!」
あたしが見せたことのない
表情で答える。
「ここは出発点。あたしはあなたですよ。」
「訳のわかんないこと言ってないで、どうにかしてよ!」
あたしが薄気味悪く
笑ってみせた。
「先に帰ってもいいのですか?あなたの大切な人たちも、ここに来てあなたを探していましたよ。もちろん、あなたの…。ふふッ。」
そう言って
画面は変わった。
何も出来ない。
あたしはただ呆然と
立ち尽くしていた。
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