夏の荷物

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冗談だろ、そんな言葉も上手く口に出せないまま唖然と携帯を見る。 変わらない内容は見間違いようもなく一週間という期間を表し、気分を更に悪くさせてくれた。 「…………なんなんだよ。厄日だな」 携帯をソファーに投げ捨て、二度寝でもしようと二階に上がる。 丁度階段を上がり終えた時、またも見計らったかのように、インターホンが鳴った。 ピーンポーン――― 間抜けな音が室内にこだまする。 今日、誰かを呼んだ覚えはない。 「誰だよ……!」 ギリッ、と歯を鳴らす。 イライラは絶えず上がり続け、ここに来てそれはおさまりを知らない。 この調子だと、ドアの向こうにいるまだ見知らぬ誰かを殴り倒してしまいそうだ。 「宅配便でーす」 ドアの向こうから聞こえる間抜けな声。 それで奥歯を痛める歯軋りは悪化する。 「はい」 ガチャリ、ドアを開け、宅配便を運んできた人を確認する。 男。まだ若さを残す顔は、けれども同時に熟して見える。 髪は緑の帽子で隠れ、服も同様に緑。 ここまで普通な顔は、複数人の中では名前すら覚えてもらえない程度だろう。
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