マキ

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―――箱の中からは黄やピンクの花柄のワンピースを着た少女が参上し、今、リビングで俺と向き合って座っている。 容姿は極めて高く。 芸能人なんて比じゃないといわんばかり。 髪は、まるで桜の花びらをそのまま糸にしたかのようなピンク。 少し目尻が上を向いた金の目が、それを更に際立たせていた。 胸は、揉んだら手からはみ出すであろう大きさ。 そして、その少女は、なにかに待ちくたびれたように重い口を開いた。 「ねぇ、お茶は?」 「は?」 「お茶よ。来客があればお茶を出すのが常識でしょ」 本当、完璧な人間とはいないのだろう、と悟った瞬間だった。 間違いない。こいつは、性格が悪い。 自分でも少しわけのわからない怒りに、口の中が殺伐となる。 子供のようなつっかかることはせず、俺はお茶を淹れに台所にいった。 「私、紅茶が好きだから出来れば紅茶をお願いね」 それはちょうどいい。 俺も紅茶派だ。
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