車輪の唄

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俺は電車に追い付いた…… 俺はまだなにも言ってない…… 聞こえなくてもいい……ただ伝えたい…これを逃したら一生後悔する…… 俺は精一杯の声を出して言った…… 「かおりー!、約束だー必ず……必ず……またいつか会おうなー」 するとその声が聞こえたのか香が気付いたように外を見た…… 香は涙を流した…… 間違いじゃなかったんだ……やはり香はドアの向こう側で泣いていたんだ…… 香は涙を止めようとしても止まらなくなっていた…… すると自転車が少しずつ……少しずつ……ゆっくり離されていく…… 俺は香に見えるように大きく手を振った…… 「馬鹿っ……私は馬鹿だ……もう会えないかもしれないのに…… なんで素直になれないの…… なんで素直に……好きって言えないの………」
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