第1念 「醜さの象徴」

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その夜は酷い雷雨だった。   辺りの一切の音を掻き消す激しい豪雨。 その豪雨の勢いは傘の有無に関わらず、たちまち人々をずぶ濡れにしてしまう。 鼓膜を破るのでは無いかと思われるくらいの雷の音。 稲光りの度に夜空を黄色く照らしている。   この日の天気は朝から快晴で、1日中晴れるはずだった。 それが夕方から急に曇りだし、この有り様である。 誰もが天気予報に悪態をついたことだろう。
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