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雨も雷も激しさを増していく。
特に雷は酷かった。
これだけゴロゴロと音を立てていれば、そのうち何処かへ落ちるだろうと誰もが思った。
むしろ、今まで落ちなかったのが不思議なくらいだ。
どんなに雨の音や雷の音が酷くなろうと、少年は窓の様子すら見ようとはしなかった。
自然現象にあれこれ言っても仕方ないから。
ただ、それを少年が明確に理解してのことかは疑問ではあるが。
ピカッと光る。
少し遅れてゴロゴロと音が鳴る。
またピカッと光る。
また少し遅れてゴロゴロと音が鳴る。
その繰り返しのはずだった。
ピカッと光る。
またかと、誰もが思った。
ゴロゴロと鳴った後、ガガガガという音とほぼ同時に、何かが爆発したような音もした。
落ちたな、と誰もが思った。
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