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「えへへ」
その笑顔はこれまで見た菜々の笑顔の中で一番嬉しそうだった。
りんごジュースを飲みながら無邪気に鼻歌を歌い始めた菜々を見つめながら、藤堂は気付かれないように部屋を出てゆっくりとドアを閉めていく。
ドアの隙間から見える菜々の姿は小さくなっていき、完全にドアが閉められたと同時に藤堂は鍵をかけた。
それもただの鍵ではなく、念波を使った特殊なものだ。
「菜々・・・・」
藤堂はしばらく菜々の部屋の前で目を閉じたまま動かなかったが、やがて菜々の部屋に背を向けて歩き出す。
その目はいつにも増して鋭い。
藤堂は自分の最後の戦いに向かっていった。
藤堂が去った後、菜々の部屋のドアは鍵ごと破壊され、眠らされた菜々は真の腕の中にいた。
「キミにはボクの遊びにちょっと付き合ってもらうよ。彼が知ったら怒るだろうけど、まあ仕方ないね。アハハハハハハハハハハ!!」
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