すぐそこに

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彼女はすまなさそうに僕の前にヒョコッと現われた。彼女は細身で背が高く、女の子と言うより女性と言った感じだった。 彼女は小さなメモ帳を僕に渡した。 【初めまして。鈴音(レオン)です。】 メモ帳から彼女の顔を見るとペコリとお辞儀をした。 レオンからもらったメモ帳に【初めまして。明です】と書きレオンに渡しペコリとお辞儀をした。 それから言葉の無い世界で1番お喋りな会話が始まった。 【なんか緊張するね!こうゆうの初めてだから……】 【私も超緊張してるよ!】 【お腹は?ファミレス行こうか?】 【うん!行こう!実はお腹ペコペコ!】 近くのファミレスに行き、しばらくメモ帳会話をしていると、突然彼女はペンを置いた。 【どうしたの?】 【皆が変な目で見てる…】 【そんな事ないよ!】 【あるもん!!みんな楽しそうに話してるけど、私とあなたはメモ帳に字を書いて読んでの繰り返し・・・会話が無いから変な目でみられちゃうんだよ!あなたまで変な目でみられたら迷惑でしょ?】 【迷惑なんかじゃないよ!】 彼女は注文した料理を素早く食べ、【こんな所早く出よう!!】。と僕の手を引っ張った。まだ食べおわってないのに。。。 【私は慣れっこだけど、あなたを巻き込みたくなかったの。。。】 【そんなの全然気にしないで!僕も同じような経験があるから。。。】 【そうなの?。。。なにがあったの?】 彼女が言った(あなたを巻き込みたくなかった)の意味は痛いほどよくわかった。。。。
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