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教室がガヤガヤしている中、
前のドアがガラッと開く音が
聞こえた。
「…おっ!やっと来たな!海!!
お前もこっち来いや!!
てかお前の席そこ!!!」
啓太という人が
まだ教室に入って来たばかりの
男の子を呼んだ。
「…あ、おぉ」
男の子は啓太君のななめ前
つまり私の前の席だった。
…なんかサッカーしてそうな
爽やかな感じの人だなぁ……
そんな事を思いながら
男の子が近付いてくるのを
目で追った。
「みて♪俺もうこの2人と
仲良しになったんだ!」
啓太君がそう私達を紹介すると
男の子はたどりついた机に
カバンを置きながら、
――私達を見た。
一瞬目が合った。
かあぁぁ
私は自分の顔が赤くなるのを
感じたけど、
目の前の相手も赤くなっている
気がした。
♪キーンコーン
カーンコーン
「おらー席つけー!出席とるぞ!」
男の新しい担任の先生が
教室に入って来て
私達の出会いは
ひとまず途切れた。
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