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「・・・喧嘩か?」
廊下を歩いていると、中庭で武装した複数の生徒達が喧嘩していた。いや、魔術を使った喧嘩は喧嘩ではなく戦争みたいなものだった。
見たところ喧嘩しているのは制服の色からして一年生みたいだ。
一年は青、二年は赤、三年は緑といった感じで学年ごとに色で分けられている。
止めに行こうと窓を開けると、止めに入る上級生が走っていくのが見えた。
「無駄なお世話だったか」
五木は窓を閉めようとしたとき、上級生までも喧嘩に巻き込まれていくのが見えた。そして、どんどん騒ぎが大きくなっていく。
巻き添えをくらっていた人達は逃げ出していたが、そんな中一人の少女がころんで逃げ遅れていた。
五木はそこに向かって飛んだ。気付いたら窓から降りていた。
少女に襲いかかる生徒に向かって遠心力をつけた蹴りを腹部にねじり込んだ。生徒の体はくの字に折れそのまま吹っ飛び壁にぶち当たってようやく止まった。しばし、少女は五木を見て唖然としていた。
五木は喧嘩をしている中心に向かって飛んだ。
空中で体をくねり、回り。遠心力、体重を足に込める。呪力を炎に変換し、踵落としのように思いきり蹴った。
「[炎衝脚]❗」
真下にいた生徒は、五木に気付き、何とかよけれたが、地面に蹴りが着いたとたん、衝撃で地面が砕け、抉れ、炎が炎上した。
その破壊力を見た生徒達は皆青ざめていた。
「なっ!!なんだ!?」
「・・・アイツ誰だよ」 「今の技・・・なんなんだ!?」
「すげぇ威力だ・・・」
周りからそんな声が聞こえたが、一端無視。五木が冷たい目線で周りを見る。
「喧嘩をやめてください」
さっきの一撃を見た学生達は青ざめたように喧嘩を辞めた。
だが、中には物わかりの悪いヤツが居る。ドスをきかせた大声で五木の前に歩み寄る。見たところ、喧嘩の発端を作った張本人二人だとすぐわかった。
二人とも『武術』学部の生徒だった。
「なんだとぅ!?」
「何ふざけたこと言ってんだよ!部外者は黙ってろ!!」
右の生徒が胸座を掴む。
「引いてください。あの人のようになりたいんですか?」
五木は右で壁にもたれ掛かって気絶している生徒を右の生徒に指差した。
「調子に乗りやがって!」
左の男が殴りかかってくる。
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