双子

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「ねぇ、テオ」 「何?」 「私達いつまでここにいるの?」 本を漁っているテオに話しかけた。 「レイがここが嫌なら出るよ。 ここはもう飽きた?」 そう言いながら一冊の本を手にとった。 「そうじゃないけど。おじさんとおばさんが気を使いすぎるから少し疲れただけよ」 彼らを引き取り、養子として迎えてくれた優しい夫婦。 「あの人達は僕らを哀れみたいだけだろ。それと周りから『いい人』って見られたいだけの偽善者だ」 偽善者だと言い放つテオは、夫婦に対して無関心の様だった。 そんなテオを見たレイはとても悲しそうな顔をした。
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