「サクラとパソコン」

3/3
前へ
/57ページ
次へ
「食べる?」  ベッドの上で、丸まっていた私の横に座り、私の頭を優しく撫でながら、私に問い掛ける。  私は答えずに、彼の目を見つめた。  私を構って……。  そう念じながら。  彼は少し困った様に笑い、私の頬から顎へと指を滑らせる。  そして立ち上がり、またキーボードを叩きに去った。  これもいつもの事。  カタカタカタ。  その音は、私をまどろみへと誘う。 「ニャー」  私は、おやすみなさいと鳴いた。
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加