「サクラと名前」

4/4
前へ
/57ページ
次へ
「おっ、お前美人だな」  私の汚れた毛はふわふわになり、体は軽かった。 「ブチかと思ったけど、真っ白だったんだな。……いや、毛が透けてピンクだな」  彼は暫く考え込むと、私を優しく抱き上げた。 「お前の名前は『サクラ』にしよう」  そう言った彼の顔は、とても優しい笑顔だった。  私は彼の事が好きになり、そして彼が付けてくれた『サクラ』という名前も好きになった。 「にー」 「おっ、気に入ってくれたか。俺の名前は『コウ』だよ。宜しくな」 「にー」  そうして私と彼……コウとの生活が始まった。
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加