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ある六月の晴れた日、賢治は隠れ家を見つけた。
賢治はある歳から学校に通わなくなっていた。彼にはたくさん友達もいたし別に学校の成績が悪かったと言うわけでもない。
ただ、母は嫌いだった。
「もうあの子とはあってはいけません。」とか
「なんであんな子と遊ぶの!」
などと怒られてもう何人もの友達を奪われたのだ。これから友達になるヤツは絶対母には言わないでおこう。そして絶対に母に見せないでおこう!彼はそう決心していた。
そんなこんなで彼は自宅にいるのが嫌でしょうがなかった。母にいろいろ説教されるのも億劫だったし、もともと彼は独りでいることが嫌でもなかったから、いつも朝っぱらからどこかへ出かけた。それでも大人に見つかるといろいろと質問責めにされた後無理やり自宅に返されるので、次第に彼はヒト気のない所へ追いやられることになった。もちろん学校で友達と会う訳にも行かなかった。
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