第2話

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暑い。 陽炎揺らめくアスファルトの上を俺たちは会話もなく歩いていた。 油蝉が頻りに鳴いているため、この沈黙はきにならない。はず。 「ねぇ。」 栗色の外跳ねのボブカットの髪が歩く度にふわふわ動く。 21歳になっても好奇心旺盛の彼女は大きな二重の目をキョロキョロ動かし、真直ぐの道を右へ左へと歩き、横道を覗いた。 「何でこの時間に呼び出されたの?くそ暑いんだけど。」
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