プロローグ

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「なぁ 夏美、俺の事ちゃんと…恨んでくれてるか?」 窓を眺めながらベッドの上で些細な願いを一人で呟く 半年前まで幸せでいつも笑っていた自分の面影はすっかりなくなり 途方に暮れながらも、最愛の人の幸せを願っていた 超能力者ではないけど、夏美がどんな事を考えてどんな風に過ごしているのか 想像が出来てしまうから、つい、そんな願いをしてしまう 彼女はきっとあんなひどい別れ方をしたにもかかわらず 今も俺を探しているんだと思う 何でこんな風になっちまったんだろう? なんで俺が死ななきゃならないんだろうか それによって夏美が何で悲しまないといけないんだろう 突然知らされた『死の宣告』は23年間の短い人生しか歩んで居ない俺には あまりにも残酷で理不尽だった チッチッチッ 病室の殺風景な部屋には余りにも似合わないキャラクター物の時計が 一秒、また一秒と僕の身を切り裂いているように思えた もう一度だけでいいから、ほんの数秒でもいいから 神様という、とんでもなく偉い奴が居るのならいいのに チッチッチッ あぁそういえばこの時計を俺にくれた時の夏美は 自分の誕生日みたいにうれしそうだったけなぁ―――…
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