第八章「kiss」

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いろんな迷いが一気に吹飛んでいた もう迷いは無い、 私は心の中でカップルにお礼をいうと 懐かしい事を思い出していた ちょうど付き合い始めてまもない頃私は 付き合う事よりも、 男性とお話する事が大変で 私の傍で一生懸命な慶太さんを見ていて 一緒に居ちゃいけない、幸せだって思ってもらえない そんな事ばかりで頭が一杯になり デートの帰り、公園のベンチに座って休んでいる時 慶太さんに全部打ち明けた 自分の不安な事を全部、ひとしきり言い終えると 「馬鹿だな、夏美は」 そう言いながら優しく慶介さんは私の頭をなでながら 言葉を続ける 「幸せってさ・・・『ふ』っと言う文字を付けると 不幸せになるでしょう? けれども頭の文字を取るだけで 幸せってなるんだ 幸せなんてものは自分が決めればいいんだよ 俺は夏美に出会えてこうやって、傍に居られて幸せだよ 夏美は俺の傍に居る事、幸せじゃない?」 わたしは首を横にふって 「私も、幸せです」 一言だけそう言うと わたし達は初めて 口付けをした
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