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もうこの世にはいないのだと
宣告を受けた
私は待合室でただ座っていた
やっと会えて、これからだったのに…
それだけを何十回も何百回も考えていた
何時間たったのだろう
「夏美!!」
突然後ろから慶太さんの声が聞こえた
驚きながら、私は振り返る
すると、そこにはラジカセがなぜかぽつりとあった
「おーい夏美!!! 今泣いてるだろ?」
テープの彼の声に私は返事を返す
「泣いてました」
「泣き虫だなぁ、本当に」
まるでそこに居るかのように
会話が成立する
「俺、死んじゃったからさ涙を拭ってあげれないから、せめてっと思ってテープに吹き込んだんだ
幸せになれって今言ってもそう思えないと思うけど
必ず、夏美なら素敵な人が将来現れる、だからその人と幸せになって欲しい
今まで一度も言わなかった俺の我儘をかなえてくれじゃぁな」
ガチャ
ラジカセを抱きしめ私は
泣きじゃくった
その夜は私の人生の中で最も
長い夜だった
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