第10章【エピローグ】

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私は花束を抱え 急な石段をのぼってる 1ヶ月に一度だけ 私はここにやってくる 小さな小さな墓石には 慶太さんの名前が刻まれている あの後私は葬式には出れなかった 何故って? 慶太さんの希望で両親だけに見送って欲しいって言うので仕方なく私は家で泣きわめくしかなかったの 慶太さんは居ないのだと泣いて 沢山アルバムを見返して泣いて 寂しすぎて泣いて… とにかく泣いてばかりだった私はいつの間にか明るくなれた まぁ周りの友達に励まされ半年かかってようやくなんだけど そして、今日は私が立ち直ってから何度目かの墓参りの最中なのです 誰に言うわけでもなくそんな風に成りたい自分になったふりをして現状を説明してみたり。 強くなるってなんなんでしょう…。 そんな妄想をしながら階段を上っていく 階段を登り切ると、誰か慶太さんの墓の上に腰掛けているのが見えた 逃げ帰るわけにも行かないのでお墓まで歩いていった 逆光のせいで顔まではわからないけど、同い年くらいの感じがして、夏美は少し緊張していた 「お、来たな」 聞き慣れた声が聞こえた 慶太さんにそっくりな声が 墓の上の青年の口から聞こえる。 ?? 恐る恐る近づくと、影が少しずつ薄れて 少しずつ顔が見えてきた
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