第10章【エピローグ】

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「夏美、ただいま」 斎藤慶太の墓の上で斉藤慶太が笑ってる 異様な光景に理解が出来ずそのまま私は固まってただ慶太さんの顔をみていた 「親もお前も勝手に殺してくれるよなぁ…」 溜め息混じり慶太さんが冗談ぽく呟いて また笑っている 「なんでそこで生きてるんですか?」 泣きそうになりながらも当然すぎる質問を投げかける 「わかりやすく言えば一回死んですぐに蘇ったのさ、 夏美がまだ好きでいてくれたのが嬉しくて 側にいたくて、ダメ元で手術をうけたら 治ったってかんじかな? 直ぐにでも教えたかったけど、まぁ動けなくてさ 毎月夏美の事だから命日には来てくれてんだろうなぁとおもって 病院こっそり抜け出して毎月15日に俺、ここに来てたんだよ」 悪びれたきもなくのんきに笑う慶太さんをみていたら パチーン 思いっ切りびんたを喰らわせていた 「どれだけ悲しかったかわかってますか? 凄く辛くて泣いて泣いて 生きてるなら連絡くらいしてよ!」 それから、しばらくお話をして二人は病院に向かって歩いた 二度と離さないようにぎゅっと手を握りしめながら
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