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「ふわぁ…」
「どうしたんです?和泉」
今日は寝た気がしなくて、朝宿を出てからずっと欠伸をしてた。
眠くて仕方がない。
梓の事だからそれを心配しての言葉だろう。
ちなみに遼は今後ろの方で煙草を吸っている。
なんであんなの吸うんだろう。
どちらにしろヘビースモーカーの遼は煙草吸わないと苛々するから、後ろの方で吸ってと旅を始めたばかりの頃に言ったのだ。
結局遼はいつでも怒ってるけど。
「んーなんかねぇ、変な夢見ちゃって寝た気しないんだよね」
背中にあるリュックサックを背負い直しながら、堪えきれずにまた欠伸をした。
いつも眠いけど、今日は更に眠い。
「夢ですか?」
目尻についた涙を拭って、その内容を話した。
“神様”が、夢に出てきて「お前等の旅に一人加わる。次の街に葵って奴がいっから連れてけよ」と言っていた。
その夢が妙にリアルで、寝た気がしないのだ。
「それは…」
「おい」
梓が何かを言おうとして、遼がそれを遮った。
会話が聞こえてたのだろうか。
「何です?」
「………」
「もしかして…」
「ああ」
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