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これは日本ではない何処かの国の、物語。 口が目茶苦茶悪い王子様、優しい笑みでさらりと怖い事を言う男。 どちらも男にしておくには勿体ない程の美人二人と私は、旅をしている。 「おい」 「あーはいはい、今行きますよー王子サマ」 いつの間にか結構前に行ってしまった二人を追いかける為小走りで近付く。 が。 べしゃっ 「馬鹿が」 「あはは。和泉、大丈夫ですか?」 「痛かないけどさ」 砂漠だし、と小さく呟いて起き上がり砂を払う。 「うげぇ。口に砂入った。梓水ある?」 「どうぞ」 穏やかな笑顔で待ってましたとばかりに水筒からコップに移された水を渡された。 それで軽くうがいをすると適当な場所に水を吐き出す。 「梓、余計な水使ってんじゃねぇぞ」 「わかってますって」 「わかってねぇだろうが。和泉に使う事がもう無駄な事わかってんのか?」 「なにを~~っ」 無駄とは何よ。無駄とは。 私にとっちゃかなり重要な事よ。 言い返そうとしたら梓に遮られた。 「遼?言っておきますけどこの水を前の村で汲んできたのは僕ですからね」
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