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「村につくまで襲って来なければ楽ですね」
「ま、そりゃ無理でしょ」
「村についてから襲われたら、もっと迷惑ですし」
「やっちゃう?」
「やっちゃいますか?」
「………うぜぇ」
不機嫌そうに呟いた遼の言葉を合図に、岩蔭に隠れている奴等の所に行った。
「はろーう」
背後に回って歌うように声をかけると、彼等はおそるおそる振り返った。
「さっきからこそこそ付け回して、プライバシーの侵害じゃない?」
にっこり笑って奴等が驚きから開放される前に、目の前で固まっている一人にかかと落としをしてやった。
ゴッ
「ぐあっ」
一発でダウンか。ちょっと弱すぎるんじゃない?
次々と襲いかかってくる奴等を倒していると、いつの間にか梓も参戦していた。
細く長い剣で舞うように斬っている。
「やっぱすごいなぁ………って遼っ」
ふと視界に入った彼は、呑気に煙草を吸っていた。
「あんた一人で何くつろいでんのよっずるい!」
言いながら敵を伸して行く。
いくらこいつ等が雑魚でも、二人で相手をするには数が多過ぎる。
文句を言いに行こうとしたら、梓がわざと遼に聞こえるように。
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