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「仕方ないですよ、和泉。彼は王室育ちですからね、戦う体力はないようですよ
」
ぴき。
何かが切れるような音がしたかと思ったら、何かが弾けるような音がした。
バンッ
予想通り、それは遼の方から。
苛々した様子で銃の引き金を引いていた。
わぁお。
流石梓、遼を怒らす事はうまい。
「ねー梓ーこいつ等弱すぎてつまんないんだけどー」
「可哀相ですよ、そんな本当の事言っちゃ」
………梓の方が酷いと思うのは私だけ?
「――――っと、終わりっ」
ドカッ
「ふぅ。あー無駄にお腹すいたー」
まだ三時間もあるっていうのに。
埃を払うようにぱんぱんと手を叩く。
「久しぶりに団体さんでしたしねぇ」
「………に、しても」
よっ、と腰を捻り運動後のストレッチをして、倒れている奴等を一瞥。
「うざいよねぇ、こいつ等。ぜーんぶ妖怪だし」
そう、今襲ってきた奴は皆妖怪。
尖った耳に鋭い爪。
それは紛れもない妖怪の特徴だった。
「神様も面倒臭いコトさせるよねぇ」
「まぁいいんじゃないですか?暇してましたし」
「そーゆー問題?」
***
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