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「……あんた、中学の時」
突然、彼女の口調が弱くなった。
「いじめられっ子を、助けたよね」
「え、ま、まさか! あの時の――」
「そう。いじめっ子よ」
そっちですか。
「あんたあの時、あたしにビンタしたよね?」
「な、ま、まあ、忘れたとは、言わないけど……」
あ、何か思い出してきたぞ。
確か、何だっけな。……奈美ちゃん、だっけ?
「すまん、あの時は少し興奮していて……いや、ごめん本当に」
「いや、いいの。別にそういう事じゃないから。この話は……やっぱ、無かったことにして」
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