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ん、いや、ちょっと待て。
「……君、自殺するの?」
俺は咄嗟に彼女の言葉を思い返し、そっと尋ねた。
今この子、あたしが自殺するとか何とかって言ったよな?
「そう、死ぬの。死んで、カッコイイ死に神ボーイと出会うのよ!」
「……は?」
「この世はつまんないわ! 空から美少年が輝く白い歯を見せながら落ちてこないし! 拾った犬は次の日逃げてるし!」
あらあら、どうやらこの子、かなり可哀相な子だ。現実逃避も甚だしい。
「ちょっと待った。よく考えてみなよ。そんな事起きる訳ないだろ。現実を見ろ。死に神なんてファンタジーだ。ファック!」
「決め付けないでよ! ……そう言うきみは、何で自殺なんかするの?」
「ナイスバディで姉さんキャラでちょっとエッチな死に神ガールと出会う為さっ!」
未だ座り込んでいる俺を侮蔑満開の目で見据える彼女は、舞い踊るスカートを全く気にしていない。
おいおい。
死に神が男だって? そんな妄想は止めてくれ!
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