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女の子は呆れたように溜め息を吐き、表情を少し固くした。
「ねえ、あんたも自殺しようとしてたんでしょ? だったらあたしの気持ち分からないの?」
「……すまん。今はそんなこと、考えられない。いや、考えるべきじゃない!」
俺も応えるように眼力を強くし、彼女をしっかりと見据える。
まず俺は、伝えることがあるんだ。
「――昨日婆ちゃんに渡した接着剤が、見付からないんだ」
「あたし眼中にないの!? というか早く探さないと一大事に!」
「婆ちゃんなら大丈夫。毎日乾布摩擦しながら山田電気行ってるぐらい元気だ」
「通報されるよ!?」
「大丈夫だろ。バイト先だから」
「半裸の老婆がレジ打ち!?」
「全裸だ!!」
「もっと危ないじゃない! 何であたしにキレるの!?」
テメエ! 俺の家族をコケにしやがって……!
……いや、待て待て待て。ラチがあかん。つーか何の話だこれは。ここは一つ、説得をしてみるか。
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