「序章」

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─── 今から一万年後の未来… 地球に対する人々による数々の負荷が二十年ほど前に限界を超え,地球は荒れ果てた死の惑星となっていた。 幾千人もの人々が犠牲になり,地球上にも人間の力を上回る未知の恐怖が幾つも現われた 絶望・恐怖・終焉…,この三つが人々の脳裏に浮かぶ…。 しかし,懸命に生き残った僅かな人間たちは,自らの渾身の科学力で隔離された居住区を各地に建設する。 この二十年の間,未知の襲撃に持ち堪えながらも人間は増えつつあった…。 だが,人が増えれば自由を求める者も現われる。 居住区で閉篭るのではなく,世界中で未知を研究し,打開法を見つけようとする者や己の腕っ節で未知を打ち破ろうとするもの…たくさんいる。 各国政府は彼等にチャンスを与えた。過酷な試験を乗り越えた 僅かな猛者だけが自由に生き,希望を手にすることを認めると…。 これが後に語られる「Free&Hope制度」である。過酷な試験を乗り越え,資格ありと認められた者たちは俗に「自由旅人」(ジータ)と呼ばれた…。 人間の潜在能力を覚醒させた怪奇能力(カイノー)やそれに適応した強化武具(キョーブ)を使って戦う自由旅人に人々は畏敬の念を抱き,志す者が数多くいた。 ─── JA地域 そんな世の中の流れに乗り,いつかは自由旅人になって自由に暮らしたいという少年がここにもいた。 どこにでもいる平凡な中学生・橘 真一だ。 これは平凡な少年・真一と世界の人々の想い,少年自身の成長を描く物語である…。 つづく
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