不動明王

9/9
前へ
/92ページ
次へ
和尚は、ちいさく、うなるような声をあげた。そして、その日からというものは、和尚は、 「たった五歳になられたばかりのお方が、不動明王をおそろしいとも思わずにらみかえしておいでであった。末おそろしい肝の太いお方よ。いや、それより、愚僧の一言で不動尊の根本をご理解なされた。あのようなお方こそ、神童と申すものでごさろう。伊達のお家は、梵天丸さまによって、天下に乗りだすだろう」 と、あう人ごとにいった。
/92ページ

最初のコメントを投稿しよう!

387人が本棚に入れています
本棚に追加