梵天丸

5/7
前へ
/92ページ
次へ
最上義守は、嫁ぐ義子に、 「わが最上家と伊達家が栄えるために、よい子を産め」 といって送りだした。 伊達家にこし入れした義子は、文武にすぐれ、忠孝の心にあつい、よい子が生まれますようにと、米沢郊外の亀岡紋殊堂の行者長海上人にたのんで、湯殿山に祈願させた。湯殿山は、羽黒山、月山とならんで出羽三山といわれる修験道の聖地である。 長海上人は、祈願した証拠として、湯殿山の湯にひたした幣束を持って帰り、それを義子の寝所の屋根に安置した。
/92ページ

最初のコメントを投稿しよう!

387人が本棚に入れています
本棚に追加