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梵天丸は、神さまの生まれかわりである。そのせいか、かしこい。ふつうの子より半年も早く言葉をおぼえた。気にいらないことがあってなきだしたら、喉がかすれて、ひいひいいいながら、とことんなきぬいた。三歳で百まで数えられた。
祖父の晴宗は、
「さすがは神の申し子じゃ。わしや輝宗より大物となるぞ。成人したら、九代政宗公の御名をつがせるがよい」
といっていた。九代政宗は、伊達家中興の祖といわれるすぐれた武将であった。
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