387人が本棚に入れています
本棚に追加
梵天丸は、愕然とした。よそよそしいのではない。はずかしかったのだ。もったいたいというような気持ちであった。
今度は、母にあまえてみたいと思った。病気のあとなら、あまえることもゆるされるだろう。苦しかったこと、目がいたかったこと、見えなくなったことをうったえて、なぐさめてもらいたかった。そして、今度、母がだいてくれるなら、すなおにだかれよう、と思った。
梵天丸は、居間にすわって待っている間に、ちょっとふらついた。それは、きっとうれしくて、わくわくしているからだと思った。
最初のコメントを投稿しよう!