化物の梵天丸

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梵天丸は、変わった。暗い、わらいをわすれた子に変わった。だれにもあおうとはしない。部屋にとじこもりがちになった。 時々、かんしゃくをおこす。鬱屈した心が爆発するのだ。 〈無理もない〉 輝宗は、まゆをしかめた。 「化物」 と、うみの母親がいっているのだ。 「もう、梵天丸は、だめでしょう。伊達家をつぐことができませぬ」 と、義子はいう。
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