0人が本棚に入れています
本棚に追加
*******
一年の時は四階にあった教室が、今は三階にある。
俺等の学校は、一年進級する毎に階数が減っていく。
階段を上る回数が減れば、自然と遅刻もしづらくなる。しかもA組は階段の近く!
うお、ラッキー。
一年の頃は、遅刻が多くて出席日数がヤバかった俺は心底喜んだ。
ガラリと扉を開ければ、目新しいクラスメート(中には一年から同じ、つまり三年間一緒のヤツも居た)
「ういーっす。あ、お前同じクラスだっけ?…っかしいなァ、クラス発表の時見当たらなかったケド?」
後ろのロッカーを背にしてしゃがみ込んで音楽を聴く、1Bきっての弄られキャラ、ハチを見付けニヤリと笑み浮かべ話し掛ける。
ハチ(名前忘れるくれーこの渾名が知れ渡ってる)は、身長小さめの下手すりゃイジメが発生しそうな感じのオトコ。
そんな外見とは裏腹にスゲー強いヤツなんだ。昔イジメられてたらしくて…強くなりてぇ一心で空手黒帯、つまりは有段者になった。
「出席番号前後なのにー?マジでか、フミ」
俺に気付けばイヤホン外しニッコリ笑いかけてくる。
何気にその笑顔恐いって知ってますか、ハチさん…。
「あ、マジ?でもお前ドコの席よ?」
ハチの前にあった椅子を引きソコに腰下ろす。
「フミが座ってる所?」
「…え、っつー事はァ、俺イチバン前?!」
最初のコメントを投稿しよう!