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「やっぱりテメェか、つかこえーよッ!俺死ぬかと思った!かなり狩られる側だったし!!」
同クラの奴等は俺と彼奴の遣り取り見て笑ってる。
違うクラスだった奴等も、最初はキョトンと不思議そうに俺等を見ていたけど今はやっぱり笑ってる。
またまた、クラスの注目の的。
…彼奴と絡むの楽しくて好きだけど、コレはちょい恥ずかしい。
「やっぱりさァーっ、野球部入んべ?そんだけの運動神経持ってて映研とか…あァッ!もったいねー!!」
大声で嘆きながら拳で机ガンガン叩くシュン。
…煩ェよ、ハゲ。
「シューン。フミ虐めちゃ駄目だって、アイツ映画愛してんだろ?お前じゃなくってサ」
俺が座っていた椅子に上がり、シュンの肩をポンと叩くハチ。
勿論顔にはニッコリ笑顔。
ワォ、すんばらしー。
アイツの認識間違ってた。
【弄られキャラ】じゃなくて……
間違いなく、【腹黒】だ。
だって、あのシュンが…シュンが…っ、固まってる。
ハチ見て固まってるッ!
1Bきっての弄られキャラ、ハチはドコ行った!!
ねェ、教室教室ッ…空気冷たいし重いし暗いっ!
…シュンが目だけ俺に向けて助けを求めてる…。
それに僅かながら首左右に振り『出来ない』とアピる。
…………、いやいやいや。無理だって、無理だから。
幾ら俺が保護者的な存在(弄られては俺に泣き付いてくるから)だからって…俺には無理!
「…お?何々、フミを挟んだ三角関係?ドロドロ愛憎劇?いやー、イイねェ。ちょ、フミは誰好きなんだよ。ハチか?シュンか?」
教卓にスクールバッグを置き、俺の小脇を肘で突く女。
そのおちゃらけた声に、クラス内の空気は幾分軽くなったみたい。
良かった。
なんて安心したのは束の間。
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